浄土真宗本願寺派 教念寺
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  第161話 柊の葉っぱ

 末っ子が生まれるずっと前に、何となく柊(ひいらぎ)の小さな鉢を買いました。冬場にキラキラと青々している葉っぱがいいなぁと思って。
 そして玄関の空いてるスペースに何となく植えましたら、それがまた大木になってしまいました。ちょっと触ってもチクチク痛くて、狭い通路の通行の妨げになります。剪定後の枝を集めるのは軍手を二重にしないとなりません。玄関幕や五色幕を掛ける時にもチクチク邪魔をしますし、チクチクを良い事に蜂がにっこり巣を作ったり、と、苦笑いの種になってしまいました。
 その柊が、七、八年前から、葉っぱが丸くなってきました。ムムム、これは何か病気かな、と思いましたが、その割にはグングン伸びているし元気です。
 先日、ある方から、柊の葉が丸くなるのは、柊が年を取ったからだと教わりました。
 『年を取るとカドが丸くなる』というのは、この柊の葉から来ているのだそうです。
 おお!柊よ、そなたは病でなくただの老化であったか!と、我が家の柊を思い出してニヤリとしました。(どうぞ、来院の際にはご確認ください)
 さて、柊は年を重ねて丸い葉をつけるようになりました、が、私自身はどうでしょうか?確かに身体は丸くなりましたが、肝心の心は丸くなりません。むしろ、若かりし頃より刺々しているかな、と感じる事の方が多い日暮らしです。
 以前、お聴聞に熱心なある門徒さんが「年を取ると丸くなる、は、あれウソですよ。丸くなんかなりませんよ。ただ、いちいち相手に注意したり小言を言う事が面倒くさくなるだけ」と仰いました。当時20代だった私には『面倒くさくなる』のが良くわかりませんでしたが、今少しそれがわかるような気がしてます。
葉っぱが丸くなった柊も、よく見ると剪定後の若木のところの葉っぱはトゲトゲしています。しかも、通り道や人に当たる場所を剪定しますから、常にチクチクする場所は同じところです。そしてまた、朝陽にキラキラする柔らかい若葉がまた綺麗でもあります。
 一本の柊が、なんだか親子何代もで暮らす家族のようにも見えてきます。私自身はまだチクチクと他人に痛い思いをさせている葉っぱかなぁと思っています。