今年のお斎

 さぁ、困った困った!報恩講時に皆さんに差し上げるお斎のパックが無いのです。ネットのどこを探してもありません。そのパックを作っている会社を探し出せたものの、そのパックが廃盤になってしまっているとの事。
 サンプルを送ってもらう事になり、「お弁当のお値段はおいくらですか?」と訊かれました。
 えっ⁈値段⁈値段なんかないのよ、と、お斎の主旨を説明しましたら、「なるほど、販売するものではないのですね」とわかって頂けて、尚且つ業務用の一桁違うロット数をこじんまりとわけて頂ける事となりました。
 婦人会の方々が、前日に仕込みをして、当日早朝から準備をしてくださるお斎です。当院のスペースの問題で、お膳で召し上がって頂けないのでお弁当の形をとっているわけです。そんな尊いお斎に値段などつけられるはずがありません。
 思えば、世の中全て価値に見合った代価を払うわけですが、お斎は確かにそれとは違うなぁと、しみじみ感じる事となりました。
 パックが手元に届き、これにて一件落着!とはならないところが遠山の金さんとは違うところで、更に前日愕然とするトラブルが起きました。
 2週間前に頼んでおいた、がんもどきを取りに行きましたら、入荷できなかったと言うのです。なぜ早めに連絡をくれなかったのか、と、ヘソで茶を沸かしながらも怒りを通り越した状態となりました。
 しかしながら、そのまったく違う代用がんもどきも、30年近く味付け担当のTさんが美味しく炊いてくださいました。
 ところがところが、今年の報恩講は、11月というのに夏日となりましたので、急遽、お弁当にしてお持ち帰りはやめようとなり、お寺で召し上がって頂く事にしました。そう、パックは要らなくなってしまいました(笑)
 ですが今年は、以前、味付けしてくださっていた方が、遠方からお参りくださり、「変わらない懐かしいお味で美味しく頂きました」と仰って頂き、涙腺が緩くなりました。
 今年のお斎に関しては喜怒哀楽が激しくて、そんな私が、変わらぬ味、守って行かれるのかなー、と、大変不安がいっぱいの今です。

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