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法事をつとめる

「法事のおつとめは、お坊さんがするもの」そう勘違いしている方が多いようです。たしかに法事での読経は僧侶が行いますが、おつとめする主体は僧侶ではなく、施主をはじめとする参列者のみなさまです。この意識の違いからでしょうか、最近さまざまなマナー違反が目につきます。

法事が始まってから、遅れて参加される方がいます。遠方から見える方もいらっしゃいますし、交通事情により致し方ない面もあるでしょう。しかし、人の出入りや施主とのあいさつなどがあると、当然場の空気は乱れます。遅刻は極力しないですむよう、最善の努力をしましょう。また、参列者への案内の際、会場の地図や交通機関の詳細などを同封し、開始時間の30分前を集合時間にするなど、施主は心を配りましょう。

読経中に、参列者同士で雑談を交わす人がいます。久しぶりに会った親戚や友人と言葉を交わしたい気持ちもわからなくはありませんが、心静かに故人を偲ぶ人にとっては迷惑なことです。それ以前に、法事に対する心構えが問われます。ふだんは仏様のことも故人のことも忘れてしまっているお互いです。だからこそ、法事の時くらいは仏様や故人に思いをはせてはいかがでしょうか。

また、最近よくあるのが携帯電話の呼び出し音です。さすがにかかってきた電話に出て話し始める人はそうはいませんが、静かな本堂に突然大きな電子音が響き渡ることは実に迷惑です。参列者一人一人が注意し、あらかじめ声をかけあうなどして、電話の電源を切るようにしましょう。また、法事開始前のあいさつの時などに、施主からみなさんにお願いするといいでしょう。

繰り返しになりますが、法事の主体は参列者のみなさんです。一人一人が、「自分自身のための法事だ」という意識をもっておつとめしましょう。

<ポイント>

・時間に遅れない
・私語はつつしむ
・携帯電話の電源を切る
・ 「自分自身のための法事」という意識を持つ

 

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