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蓮如上人御一代記聞書52
「言南無者」

 蓮如上人のお弟子さん、法敬坊のことを記した一文があるよ。

法敬坊、安心のとほりばかり讃嘆するひとなり。「言南無者」の釈をば、いつもはづさず引く人なり。
(法敬坊は、安心のことだけを語り聞かせる人でした。善導大師の六字釈をいつも必ず引用されていました)

 言南無者(ごんなもしゃ)というのは、七高僧の一人善導大師が、南無阿弥陀仏の六字の意味について説明してくださったおことばさ。南無阿弥陀仏の六字を解釈してくださったことから、「六字釈」といわれているよ。
 善導大師は、まず南無阿弥陀仏の六字を、南無の二字と阿弥陀仏の四字に分けられた。そして、「南無というのは、帰命ということです。これは阿弥陀さまがわたしたちにくださったお心です。そして阿弥陀仏というのは、その行のことです」と教えてくださった。
 親鸞聖人はこれを受けて、「南無というのは帰命ということ、そして帰命というのは、阿弥陀仏の呼び声、勅命のことです。久遠のむかしに衆生を救済しようという大悲の願いを発し、衆生に往生の行を施し与えてくださる仏心をいいます。阿弥陀仏というのは、阿弥陀さまが選び定め、施してくださった行なのです」とさらに詳しくお示しくださったよ。
 「六字釈」なんていうと難しそうに思うけど、何も難しいことじゃない。阿弥陀さまが僕たちのために南無阿弥陀仏の名号を選び定め、その名号に自らの善根功徳をこめて僕たちにくださった。「この名号ひとつでお前を浄土に迎え取れないなら、私は仏にならない」とまで誓ってくださった願い、それは「早く来いよ、待っているぞ」の勅命だよ。その勅命をそのままいただき、口に南無阿弥陀仏を称えるのが、ぼくたちの往生浄土の道なんだ。
 大切なのは、帰命の心も称名念仏の行も、すべてを阿弥陀さまがととのえて僕たちにくださったものだということ。僕たちの側ですることは何もないし、その必要もない。何もできない僕たちは、100%阿弥陀さまのお力で、浄土に往生していくんだよ。

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