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ひとつのことば

 外国の方が日本に来て驚くことのひとつに「自動販売機」があるそうです。それは誰もいない野外に商品と売上金を無防備に置いていることだそうです。私たちには当たり前の光景ですが、それだけ日本は治安が良い国ということです。
 それまで人が販売していたタバコや飲物を機械が行うことは「無人化」の先駆けとなりました。今から六十年ほど前のことです。
 そして近年は人工知能の発達で無人化が飛躍的に進化しました。人工知能(いわゆるAI)は何が凄いのでしょう。調べてみると「人工知能は、データや経験から学習をしたり、臨機応変な判断をしたり、論理的な推論をしたりなど、知的な活動を行うことができます。それだけでなく、人間の脳では処理できない膨大なデータを処理できる、学習スピードが早いなど、人間よりも優れた点があります」とあります。喜ばしい点はたくさんありますがこれまで私たちが重ねてきた文化や伝統が急に陳腐化されて埋没してしまうことが危惧されます。
 さて、私たちはよろこびや悲しみに出会いながら日々を生きています。その思いや行動を「ことば」として表現しています。ことばと共に生きているともいえるでしょう。
 詩人の北原白秋さんの『ひとつのことば』をご紹介します。

 ひとつのことばで けんかして
 ひとつのことばで なかなおり
 ひとつのことばで 頭が下がり
 ひとつのことばで 心が痛む
 ひとつのことばで 楽しく笑い
 ひとつのことばで 泣かされる
 ひとつのことばは それぞれに
 ひとつの心をもっている
 きれいなことばは きれいな心
 やさしいことばは やさしい心
 ひとつのことばを 大切に
 ひとつのことばを 美しく

 私たちは親鸞聖人の導きによって南無阿弥陀仏ということばを大切にさせていただいています。
 私の発することばであっても仏さまのことばであることを有難く尊く頂戴いたしましょう。

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