真夜中のナースコール
最近は怪談ブームのようです。やはりテレビの影響でしょうか?
子どもの頃、怖かったけれど「耳なし芳一」や「雪女」「3枚のおふだ」など好きでしたし、怪談由来の浮世絵や日本画を多数目にしました。
歌舞伎の「四谷怪談」は、最悪最低なDV男にイラっとしますが仕掛けが盛りだくさんで、華やかではないけれど楽しい演目。歌舞伎でも日舞でも、「娘道成寺」は華やかでありながらもこわぁい演目です。
知らず知らずのうちに、小さな頃から日本の文化と共に怪談話は身近にあり、また怪談と共に「お寺」というのも身近にあったのではないかと思います。
看護師時代、患者さんの臨終の際、立ち会った医師や看護師は軽く一礼するのですが、私は合掌礼拝をしていました。急患で救えなかった生命より、長く看護をしてきて亡くなる場合が殆どでしたから、自然とそうなったのでしょうが、礼拝をなおすと家族の方々も合掌なさっていました。
その頃からお寺離れ、仏教離れと言われていましたが、いやいや、心の底には仏教精神が根付いているのではなかろうか?と思っておりました。
さて、ある日の夜勤で、エンゼルケア(逝去時医療者が行うご遺体の整え)後の病室を整え終わり、急患引き受けの連絡のみとなった部屋からナースコールがありました。
真夜中に、誰もいない部屋からのナースコールが何度も。一緒に組んだ先輩が凄く怖がって騒ぐのです。
「あんた、彼氏お坊さんでしょ。お父さんもそうだったんでしょ。お祓いとかできないの?」と言うのです。
「あー、浄土真宗はお祓いとかおまじないとかしないんですよ」
「浄土真宗ダメじゃん。じゃ、お経あげてきてよ」
「いやぁ、お経って除霊とかするもんじゃないですからね。効かないと思います」
接触不良だろうから、と、病室のナースコールを抜きながら、ナースコール不良の為、急患受け付けないってアリかな?と考えながらナースステーションに戻りました。これでもう鳴らないし、先輩も騒ぎません。
ところが…それでもその部屋からまたナースコールが鳴りました…
「キャー!」
本当にあった怖い話…
(ではなくて、やはり機械的な問題で、翌日修理完了しました)


