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ランプ・ライト・ムーン

 なんとまぁ、話してもいないのに以心伝心だろうか、と不思議な気持ちになりました。
 先日友人がプレゼントしてくれたのは、中に可愛いドライフラワーが入ったランプでした。ソーラー式で非常用にも早変わりするのですが、普段は優しい灯りに癒されてね、という事なのでしょう。
 実はキッチンの照明が壊れたものの、なかなか買いに行かれずに、1週間ほど間接照明のみで生活していました。
 間接照明のみの生活は、昼間でも常に常に眠くなるのです。どうやら寛ぐ為の灯りの色と明るさだからのようでした。そんな時、手元にちょっとしたランプでもあるといいなぁと思っていましたが、キャンプ用ランプを倉庫に取りに行くのが面倒くさくてやめていたのです。そんな話をしてもいないのに、ステキなランプを頂いて、心にも優しい灯りが点りました。
 新しい照明器具は、ライトの明暗のみでなく、色合いも変えられるので、仕事や食事などその時に合わせて調光を変えています。
 そしてハッとしました。強い光ほど強い影ができるのです。
 ふと、オペ室の無影灯を思い出しました。無影灯という名前ですが、実際は影が出来ます。ですが、多方向からの光によって、凄く強い光なのですが影ができにくくなっているのです。最近の医療ドラマでは無影灯もLEDですね。昔の医療ドラマがなんとなく古臭く感じるのは無影灯がLEDではないというのもあるかもしれません。
 9月の初めに皆既月食がありました。ちょうど読みたい本があったので、頑張って起きていました。理科で習った月食の図を思い出しながら眺めたブラッドムーンは何とも神秘的でした。ですが親鸞さまの時代の人々は、同じ月食でも不吉な天変地異の現象として畏れ、物忌みで過ごしたのだなぁと思いながら眺めていました。
 その時代に阿弥陀さまのみ教えを説かれたご苦労を、赤銅色の月の天体ショーを眺めながら偲びました。
 阿弥陀さまのみ光は、とても強い光ですが影ができません。それは、私たち一人一人に平等に届く光だから、そして智慧と慈悲の現れのみ光だからに他なりませんね。

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